これからの10年間にどんなことが起こると感じていますか?(オットー・シャーマーの問い)

人々は正気を失ってなんかいない。とてもリアルで、とても切実で、あまりに大きな感情を伴う現実に声を上げているんだ。もしも私たちがその声に対立し、戦うのならば、彼らの恐れを一層強めるだけだろう。 続きを読む これからの10年間にどんなことが起こると感じていますか?(オットー・シャーマーの問い)

「偉大なことなんてできませんよ。大きな愛を込めて、小さなことをやるんです」(マザー・テレサの言葉)

「どうすれば人は、偉大な仕事をすることができるのですか?」
デバシスが質問すると、マザー・テレサは、インド人がいつもする、あのちょっとした(首を左右に動かす)動作をしました。それから、肩をすくめて、こう言いました。「偉大なことなんてできませんよ。大きな愛を込めて、小さなことをやるんです。それだけです。」 続きを読む 「偉大なことなんてできませんよ。大きな愛を込めて、小さなことをやるんです」(マザー・テレサの言葉)

世界には、たくさんの問題があります。そこに私のうしろ向きな気持ちを付け足す必要はありません。

この選択は、いつだって私たちに与えられています。私たちの注意の矛先を、私たちが本当に大切だと思うものと同じ方向へ向けることは可能でしょうか?とても簡単に言えば、あなたの「恐怖」ではなく、あなたの「愛」が向かう方に向けることはできるでしょうか? 続きを読む 世界には、たくさんの問題があります。そこに私のうしろ向きな気持ちを付け足す必要はありません。

「マインド(心)とマター(物質)の再統合」について (後編)

私なら、真のシステムの哲学をこのように定義する。「人間と、その現実という体験、そして、この体験のサイクル全体に自分自身が関与しているという感覚、この間にあるフィードバック・ループを閉じるもの」だ。 続きを読む 「マインド(心)とマター(物質)の再統合」について (後編)

「世界に問題は1つだけだよ。マインド(心)とマター(物質)の再統合だ」(1996年)

南老子の見方は、私と違っていた。より深いレベルで洞察していた。そして、老子は、こう言ったんだ。「世界に問題は1つだけだよ。マインド(心)とマター(物質)の再統合だ」。 続きを読む 「世界に問題は1つだけだよ。マインド(心)とマター(物質)の再統合だ」(1996年)

「彼らの意識の中で、君はまず関係性としてスタートする」 オットー・シャーマー x ピーター・センゲ

一歩下がってみて、少しだけ西洋人としての文化的な側面から考えてみよう。君も私も西洋人だ。西洋的個人主義がどれだけ目に見えなくて、そして蔓延しているかに気付くことは不可能だと思うんだ。私は私であり、私として生まれ、この身体に生まれついた人格だ。 続きを読む 「彼らの意識の中で、君はまず関係性としてスタートする」 オットー・シャーマー x ピーター・センゲ

オットー・シャーマー x ピーター・センゲ(U.Lab インタビュー その7)

オットー、君が言った南老子は、中国の禅、道教、儒教に精通している人物だが、彼が私に言ったことがある。「世界で最も危険なものは、戦争の危険よりもずっと大きなものだ。それは、バーチャルであることの危険だ。遅かれ早かれ、『現象としてのこっち側の現実』と、『私たちが感覚として受け取る経験』、この2つの間にある私たちの進化に関わる相互依存性、そのフィードバックループ全体が壊れてしまうかもしれない。」 続きを読む オットー・シャーマー x ピーター・センゲ(U.Lab インタビュー その7)

オットー・シャーマー x ピーター・センゲ(U.Lab インタビュー その6)

U.Lab 1.0より、オットー・シャーマーによるピーター・センゲのインタビュー(前回の続き)です。MITシステムダイナミクス研究所でのジェイ・フォレスター博士との出会いを語ります。

2015年9月10日開始「U.Lab – Transforming Business, Society, and Self 2.0」の登録はここから


ジェイ(フォレスター)は、MITでこの特殊なシステム研究のアプローチを立ち上げた人物だった。彼はエンジニアだった。歴史的に見ても、エンジニアの中のエンジニアだった。MITのチームを率いて、初の汎用デジタルコンピューターを作ったのは彼だ。1940年代の後半から50年代にかけて、ジェイはコアメモリーと呼ばれるものを開発した。これは、電子計算を可能にするための、最初の技術的ブレイクスルーだった。トランジスターよりも前の話だし、他のどんな電子技術の開発、つまりハードウェアと呼ばれるものの、どれよりも前の話だ。実際の話、ジェイたちは真空管を使ってコンピューターを作ったんだ。ラジオに使われていた、40年か50年前のハードウェアのテクノロジーを使ったんだ。

しかし、彼らには、このビジョンがあった。ベーシックデザインのブレイクスルーを起こすことだ。そして、今日で言えば、ソフトウェアとハードウェアを融合させたんだ。彼らは汎用デジタルコンピューターを考案して、そして実際に作りあげた。ただ研究所の中で組み立てただけじゃなく、はじめの28台の汎用コンピューターの製造を指導した。このコンピューターが、北アメリカ全体に設置されて、初の北アメリカ防衛システムとなったんだ。

こんな風にして、ジェイは、軍から資金を得た。ジェイたちが契約を結んだ会社が、IBMっていう企業だ。IBMがコンピュータービジネスに参入したのは、こんな経緯だ。工学科のジェイの学生たちは、デザイン、設計を担当しただけじゃなくて、実際に組み立てて、インストールするところまで、IBMを監督していた。「私たちが、ぜんぶ指導したんだ」ってジェイは言っていた。

この話は、私が共感する点を2つほど示してくれている。まず、とても現実的だということ。もし私がその時代に生きていて働いていれば、もちろん冷戦の脅威の高まりに頭を悩ませていたはずだ。だから、「どのようにして北アメリカが連携の取れた防空システムを備えるか」という現実的なニーズがあった。だけど、もっと私にとって意味があることは、おそらく、その「ぜんぶ」を自分でやる、というところだ。

君も知っていることだが、MITの学生の中には大勢いる。アイデアを思い付き、ブレイクスルー、言わばプロトタイピングみたいなものだが、これを起こす。しかし、彼らはそれだけじゃなくて、その建設や製造全般、具体化、そして実行まで監督するんだ。

昔、海軍OBだったと思うんだが、35年が経って、この施設の1つを閉鎖したという男と話した。これらの施設が建てられたのは、1953−55年だったが、この男は、80年代半ばにその1つを閉鎖したんだ。施設が30年も経ってまだ稼働していることにただ驚くばかりだった。そして男は私に言った。「私たちはそこで全部をバラバラに分解して、危険がないことを確認していた。ほとんどの設備は地下に作られている。核攻撃があっても大丈夫なようにね」。そして続けた。「だけど、この30年間の利用データをすべて手に入れてみたら、30年間の平均ダウンタイム、つまり機械が動いていない時間は、1年に2分にも満たなかったんだ!」

すごいことだよ!もちろんエンジニアの功績だ。だから、この意味で、エンジニアとして教育を受けたことは、私にぴったりだったんだ。発案と実行の両方だからだ。特に、請負業者やエンジニア、そしてデザイナーなど、さまざまに幅広い人々たちが関わる時にはね。

オットー・シャーマー: その産業全体をインキュベートするということだね。

ピーター・センゲ: そう、産業を全部インキュベートするんだ。彼らは文字通り、コンピューター産業に命を与えた。今の私たちは、その頃からすると3代目か4代目の世代だ。これに関してジェイに聞いたことがあるんだ。MITに来て、多分2年後くらいで、その頃ジェイは私のメンターになっていた。私は、それで彼を知るようになった。ある日彼と話していて、私は言った。「あなたは今35歳で、このプロジェクトを完了させました」。プロジェクトが終わった時、ジェイはまだ30代半ばだったと思うんだ。「本当に素晴らしい業績ですね。プロジェクトはさぞかしワクワクするものだったでしょう?」

彼の応えは「ノー」だった。彼がそのとき言ったのは、「リアルな仕事は全部終わったんだ。私の目から見て、はっきりしていることは、これから少なくとも2世代くらいの間、人々がコンピューターを使うのは、自分たちが常にやって来たのと同じことをするためだ。ただスピードが速くなるだけで。大量のデータの処理だ。」

そしてジェイは言った。「人々がコンピューターを使って、今迄人間がやったことのないことを始めるのは、少なくとも2−3世代経ってからだよ。」そして、「それからが、また面白くなるだろう」。そして、彼はコンピューターの分野から完全に手を引いた。そしてここへやって来て、このシステムの分野を立ち上げたんだ。

参考:

Wikipedia ジェイ・フォレスター

Whirlwindと名付けられたコンピューターの歴史

続きます


これまでの U.Lab インタビュー 翻訳:

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パート1 2 3 4 5 6 7


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オットー・シャーマー x ピーター・センゲ(U.Lab インタビュー その5)

エコシステムの現実と、私たちの習慣化されたエゴシステムの認識や体験という、2つの世界のズレが、ブラインドスポット(見ることの出来ない部分)を生み出している。これが、システム思考が解決しようとしているものであり、私たちの取り組みが解決しようとしているものだ。 続きを読む オットー・シャーマー x ピーター・センゲ(U.Lab インタビュー その5)

オットー・シャーマー x ピーター・センゲ(U.Lab インタビュー その4)

私たちが失うのは、自分自身についての「慣れ親しんだ考え方」だ。この「自分」は、ある意味で消失するだろう。しかし、そのときには、とてもしっかりした自己という感覚があるんだ。むしろ、この自分こそが、本当に確立した自己という感覚と言えるのかもしれない。それは、(認知や経験の枠を)超越した自己なんだ。 続きを読む オットー・シャーマー x ピーター・センゲ(U.Lab インタビュー その4)

オットー・シャーマー x ピーター・センゲ(U.Lab インタビュー その3)

もう1つ大切なポイントがある。「私たちが『現象としてのシステム』の存在に無自覚だ」ということだ。ものごとの背後を見てみれば、そこにはいつも、この「認識があるかどうか」の問いが存在している。何も新しい問題ではないと思うんだ。 続きを読む オットー・シャーマー x ピーター・センゲ(U.Lab インタビュー その3)

オットー・シャーマー x ピーター・センゲ(U.Lab インタビュー その2)

私たちは、このとてつもない相互依存性と相互関係性のウェブを構築した。そして、今では、ここ、世界の中のこの場所で自分が行うことが、地球の反対側にいる誰かの生活に直接影響を与えるようになったと言える 続きを読む オットー・シャーマー x ピーター・センゲ(U.Lab インタビュー その2)

オットー・シャーマー x ピーター・センゲ(U.Lab インタビュー)

「世界に問題はたった1つだけなんだ。それが、マインド(心)とマター(物質)の再統合なんだ」。それから君は続けて言った。「彼はほんとにこの通りに言ったんだ。マインド(心)とマター(物質)の再統合・・・」。

それから君はシステム思考のエッセンスについて話し始めた・・・ 続きを読む オットー・シャーマー x ピーター・センゲ(U.Lab インタビュー)

オットー・シャーマーのオンライン講座が来週スタートです。

オットー・シャーマーの無料オンライン講座が、1月7日からいよいよ始まります。開講前の情報が送られてきたので翻訳して共有します。まだ登録は受け付けているので、平日の遅い時間ですが関心のある方はぜひご参加ください。 続きを読む オットー・シャーマーのオンライン講座が来週スタートです。

【動画】オットー・シャーマー 「U.Lab – ビジネス、社会、そして自分自身の変容」イントロ

ようこそ「U.Lab – ビジネス、社会、そして自分自身の変容」へ。私は、オットー・シャーマー。MIT上級講師で、プレゼンシング・インスティテュートの創設理事です。約20年前に、ドイツからここMITにやってきたのは、組織や社会がどのように学習し、進化することができるのかを探求するためでした。それ以来、企業、政府、そして市民団体での、様々なイノベーション、ラーニング、そしてチェンジに関わるプロジェクトに携わってきています。 続きを読む 【動画】オットー・シャーマー 「U.Lab – ビジネス、社会、そして自分自身の変容」イントロ

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私たちは、非常に重大な「破壊」の時代に生きています。何かが終わり、死んで、違う何かが誕生を希求している時代です。

終わりを迎えて、死に行くものは、1つの文明です。「私」を最大化することを目的とする考え方、大きいことは良いことだという考え方、特定の利権団体が意思決定を支配するという考え方に基づく文明です。この考え方が、私たちの「組織的な無責任」という状況をもたらしました。 続きを読む 【動画】オットー・シャーマーのオンラインコース(無料)紹介