オットー・シャーマー x ピーター・センゲ(U.Lab インタビュー その2)

今年1月に開講したオットー・シャーマーのオンライン講座でのピーター・センゲのインタビューの抜粋です。センゲが、自身の生涯の長きに渡って取り組んで来た、より大きな相互依存性のシステムという問題について語ります。第2回の「U.Lab – Transforming Business, Society, and Self」は、2015年9月10日開始。無料登録はここから


シャーマー: ピーター、君の道のりについて少し話してもらえないか?どんな風に、君の一連の取り組みに関わるようになったのか。

センゲ: 人生の中で本当に大切なことに取り組むとき、その始まりがいつだったか、本当のところは分からないんだ。

言ってみれば、私が生まれたときに始まっていたか、私がまだ幼い頃に始まった一種の目覚めというか、気付きを得たときに始まったかのようなものだ。というのは、たくさんの意味で、私はいつも同じことをやってきているように、常に感じてきたからなんだ。自分の世界が進化すれば、自分の理解も進化するものだから、もちろん進化はするんだけれど。ただ思うのは、いつか、ずっとずっと早い時期に「複合的な問題」とでも呼べるだろうか、今、顕在化しているほとんどの問題の背後に存在する諸条件、その特別な「クリタライゼーション(明確になること)」があったんだ。

社会、経済、生態系、生物学といった分野を考えてみてほしい。私が長い間感じていたのは、これら諸分野のあらゆる顕在化した問題の裏側に存在しているのが、何か、もう少し深くて、もっと、これらすべての境界線を超えて横たわるようなものだということだった。なぜなら、これらすべての問題をつくり出しているのが、私たちだからだよ。ただ運が悪いんじゃない。偶然のものではないんだ。

なぜだか知らないが、これら問題の1つ1つに、私たちの関わった手形がついている。しかし、もちろん、私たちのほとんどにとって、ほとんどの場合、その手形は、「誰か別の人」のものだ。そうだろう?その手形は私のものではないし、私は生物の種を破壊してはいない。種を破壊しているのは「誰か別の人」に違いない。だけど、その「誰か別の人」はどこにいるのか、いくら探してみても見つけられないんだ。どうしてだろう?その「誰か別の人」というのは、複数形の「私たち」のことだからだ。たとえ、どれだけ念入りに準備しても、どれだけ強力なリソースを持っていたとしても、システム的に個人がわざと種を破壊することなんて不可能なんだ。

WWF(世界自然保護基金)がつい最近 「生きている地球レポート2014」を発表した。先月、いや先週のことだ。それによれば、私たちは直近40年間に世界中の自然環境 の半分を失ってしまったらしい。これは私たち誰もがすでに知っていることを伝えているんだ。この生きている世界の中の、この人間の活動によるネガティブなインパクトが加速しているのは、単なる私たちの神経症や恐れによる幻想じゃない。そこには本当に事実というベースがあるんだ。だけど、では誰がそれをやっているのか、見つけることは難しい。だから、私はいつも、誰か特定の、実行犯がいると感じていたと思う。エージェントと呼べるかもしれない。だって、ある意味で代理人制度が存在しているのだから。

繰り返しになるけれど、これは偶然ではない。前もって決まっていたことでもない。物理の法則や、私たちの力が及ばない何かの力のせいでもない。私が思うのは、これは私たちの時代の難しい課題、ジレンマなんだ。私たちは私たち自身の健全なあり方の前提条件を破壊している。そしてそれを、私たち全員でやっている。つまり、私たちは、全員がこの問題の一部なんだ。このエージェントは、集団としてのエージェントなんだ

まだとても幼かった頃に母親と話したことを覚えているんだ。年はたぶん13、14歳か、15歳だった。私たち人間は誰でも、そのくらいの時期に自分を取り囲んでいるより大きな世界に対する、ある特殊な気付きを得るものだ。だから、ほとんどの人類の歴史に通過儀礼があるのは偶然じゃない。ほぼすべての文化において、13歳から15歳の間のどこかで通過儀礼があって、それは生物学的な変化や身体の変化を承認するだけでなく、その人の「つながり」が変化したことを承認するものなんだ。この時から、人は、もはや子どもではなくなり、大人のコミュニティーの一員になる。

そのくらいの時期だった。私が覚えているのは、こんな風なはっきりした気付きだった。「そうか!世界に問題は1つだけじゃないか!」

私が15歳のときに考えたことを正確に思い出すことなんて、もちろん不可能だよ。だけど、出来るだけ正確に再現してみるなら、何か、こんなことだった。「私たちは、このとてつもない相互依存性と相互関係性のウェブを構築した。そして、今では、ここ、世界の中のこの場所で自分が行うことが、地球の反対側にいる誰かの生活に直接影響を与えるようになったと言える」。

つまり、私たちはこのウェブの中で生きている。蜘蛛の巣の一種のようなものだと考えられるだろう。そのウェブの中では、こちら側のほんの微小な振動が、あちら側での振れになる。そして私たちはそのことに気が付かないままなんだ。これは、信じられない現実だと思えるかもしれない。でも、これはフィクションでもなければ、私の想像でもない。この相互依存性は現実に存在しているんだ。


これまでの U.Lab インタビュー 翻訳:

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Senge: Well, when you do the things that really matter to you in your life, you can’t really ever identify when it started.

It’s like, well, it started when I was born, or it started when I had certain kind of awakenings or awarenesses that developed even when I was young, because in many ways I really have always felt that I’ve been doing pretty much the same thing, but of course it evolves. The world around you evolves. You’re understanding evolves. But I think that somewhere very, very early on, there was a particular crystallization of, you might say, a “problematique”, a kind of underlying condition which sits behind most of the manifest problems.

You can look in the social domain, economic domain, the ecological or biological domain. And I felt for a long time that sitting behind all the manifest problems of these different domains is something that’s a little deeper and more cutting across all those boundaries, because at some level we create all these problems. It’s not bad luck. It’s not random.

Somehow, our handprint is on every one of these problems. But of course, for most of us, most of the time it’s somebody else’s handprint, right? It’s not like my handprint. I’m not destroying species somebody else must be destroying species, but then if you look where is this somebody else, you will not find them, because a somebody else is a plural us. No individual no matter how well organized, powerfully resourced they were could systematically go out and destroy species.

The World Wildlife just published their Living Planet Index last month, last week actually. And we’ve lost half of the wildlife in the world in the last 40 years, which kind of tells us again what we all know– that this accelerating negative impact of human activity on the living world is not just a figment of our paranoia or our fears. There’s really a factual basis for that, but it’s hard to find who’s doing that. So I think I’ve always had this feeling that there is a who, you might say, that’s acting. You might say an agent, because there’s agency.

Again, this is not random. It’s not predetermined. This is not based on the laws of physics or some set of forces that are outside of our control. I think it’s the conundrum or dilemma of our age that we are destroying the conditions for our own well-being, and we’re all doing it, and we’re all part of it. So the agent is a kind of a collective agent.

And I remember really quite young I remember conversations with my mother. I was probably 13, 14, 15 years old. Somewhere in that time when all of us as human beings have certain awakenings to the larger world around us.

There’s no coincidence for almost all of human history you had a rite of passage. In virtually whatever culture it was, you had some kind a rite of passage somewhere between the age of 13 and 15 not just to recognize the biological and physical changes, but your shift in connection. You are no longer a child. You are now part of the adult community. And so it was probably in that time period. I just remember this kind of clear awareness that, “wow, there’s like one problem in the world.”

Of course, it’s impossible to remember exactly how I thought about that when I was 15 years old. But if I would try to reconstruct it as accurately as I could, it would be something along the lines of we’ve woven this incredible web of interdependence and interconnection, so that literally today we could say my actions here in this part of the world are directly influencing conditions of life on the other side of world and vice versa.

So we are living within this web. You can think of it like a kind of spider’s web where just the smallest little tweak over here, something vibrates over here, and we’re unaware of it. I think those are always the two components. You might say the phenomenal reality– this is not a fiction of my imagination. This interdependence is real.

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