システム思考は小学1年生でも使えます。

「システム思考は複雑でよく分からない」と耳にすることもあるのですが、ピーター・センゲは常々「人間はみんな生まれつきシステム思考家としての素養を持っている(People are all innate systems thinkers.)」と言います。そして、この考え方は、新しいものや難しいものではなく、誰もが経験から知っているもので、適切なツールを使うことでその能力を高めることができると話します。

センゲが、「システム思考の達人」としてワークショップの中で紹介するのがこの6歳児たちです。ダニエル・ゴールマンとの共著「The Triple Focus」の中に解説があったので紹介します。なお、実際の動画は、Waters Foundation – Systems Thinking in Schools のサイトで見ることができます。


小学1年生のシステム思考 (The Triple Focus より)

ここ2年くらいの間、私がいちばん良く使っている動画なのですが、6歳児の男の子が3人、自分たちで作った「どうして僕たちは遊び場でケンカしてしまうのか」という小さなシステム図を囲んで座っています。この子たちは、アーリー・ラーニングにおけるシステム思考に重点を置いているたくさんの学校の1つに通っています。自分たちが抱えているとてもリアルな問題を解決する方法を見つけようと、ある日休み時間から戻ってきて、慣れ親しんだツールを使いました。そして、強化フィードバックループ(この場合、悪循環の図)を描きました。

Playground dispute
The Triple Focus (Goleman & Senge, 2014) より引用・翻訳

この図には、2つの重要な変数があります。「いじわるな言葉」と「傷ついた気持ち」です。2つは円を描くように結ばれていて、片方が増えると、もう片方も増えるようになっています。そこへ先生が通りかかって、この子たちに図を説明してくれないかと頼み、その様子をスマートフォンで撮影しました。ですから、これはとても自然発生的なものです。これらの学校では実際にとてもよくある事例です。

初めに、男の子の1人がこう言います。「まず、僕らは『いじわるな言葉』を言われて、『傷ついた気持ち』になるんだ。それから、ケンカが始まって、それで、もっといじわるな言葉を使ってしまう。そうしたら、もっと傷ついた気持ちになって、もっといじわるな言葉を使ってしまうんだよ。」

男の子たちは、この強化ループが作り出したエスカレートするダイナミズムをはっきりと理解していました。

別の子が付け加えます。「ぼくらは、この強化ループを抜け出すことのできる方法を全部考えてみたんだ。ここには×が付いているでしょ(図に×が描かれている箇所を指差しながら)。それは・・・あまりうまく行かなかったから。『ごめんなさい』って言ってみる方法は、まあまあだった。でもこっちの方法はまだ試していないから、(ループの別の箇所を指差しながら)、今度ケンカになったら、試してみようと思ってる。」

悪循環から抜け出すための「レバレッジはどこにあるのか」について思うことを話し合った後、1人の子が興奮した顔で宣言しました。「もし、この強化ループが、『やさしい言葉』と『やさしい気持ち』になれば、(悪循環のループのあちこちを指差して)これも、これもサヨナラすることができるんだ。そして、このループじゃなくて、悪くない何か、何か良いものに変えることができるんだ。」

この最後の発言に別の男の子も全力で賛成します。「もしこれが良い強化ループだったら、こんな問題は何も起こらないね!」

この続きを読む:「小学1年生のシステム思考」から私たちが学ぶこと。


The video that I have used the most often for the last couple of years shows three six-year-old boys sitting around a little diagram they created on their own about why they are having fights on the playground. They are at one of the many schools today that now focus on systems thinking in early learning. Wanting to find a solution to a very real problem they are having, they came in from recess one day and used a tool familiar to them – they drew a picture of a reinforcing feedback look, in their case a vicious cycle.

The diagram has two key variables: “mean words” and “hurt feeling,” connected in a circle so that increasing either one increases the other. As a teacher walked by, she asked if they could explain the diagram and filmed their explanations with her smart phone. So all this was very spontaneous – actually quite typical of what happens in these schools.

One of the boys started by saying, “First, we get mean words, [then] hurt feelings. Then a fight breaks out, and we get more mean words. Then we have more hurt feelings and more mean words.”

It was clear the boys understood the escalation dynamic this reinforcing loop produced.

Another boy added, “We’ve thought about all the ways we could break the reinforcing loop. These are crossed off [pointing at places on the diagram where crosses have been drawn] because… they didn’t really work. Saying ‘I’m sorry,’ kind of worked. But we haven’t tried these out yet [pointing to other places on the loop]. So, the next time we get into a fight, we’ll try them.”

After sharing their thinking about “where the leverage is” to break the vicious cycle one boy enthusiastically proclaimed, “If this reinforcing loop said ‘nice words’ and ‘nice feelings,’ we could get rid of this and get rid of this [pointing to different parts of the vicious cycle loop], and change this into something that’s not bad, something that’s good.”

This last comment prompted one of the others to agree, poignantly, “If it was a good reinforcing loop, we wouldn’t have all these problems.”

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